シーリング打ち替えとは
オフィスビルの外壁やサッシの隙間に充填されている「シーリング材(コーキング材)」は、建物の防水性と気密性を保つ重要な役割を担っています。
しかし、紫外線・風雨・温度変化などの影響を受け、経年劣化が進むとひび割れ・剥離・硬化といった症状が現れます。
これを放置すると、雨水の浸入や断熱性能の低下、さらには構造材の腐食といった深刻な被害に発展することもあります。
そのため、シーリング材は10〜15年を目安に「打ち替え」を行うことが推奨されています。
特に築30年以上のビルでは、外壁塗装や防水改修と同時に実施することで、長期的な建物保全につながります。

劣化のサイン
以下のような症状が見られたら、シーリング打ち替えのタイミングです。
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シーリング材のひび割れや剥離が目立つ
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外壁ジョイント部から黒ずみや雨染みが見られる
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室内壁や天井に湿りやカビが発生している
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建物竣工から10年以上経過している
見た目では軽微に見えても、内部ではすでに防水性能が低下している場合があります。
定期的な点検と早めの補修が、結果的にコスト削減につながります。
今回実施した事例はサッシ廻り防水改修工事
今回は、1990年竣工のオフィスビルのサッシ廻りの防水工事をご紹介します。
ご相談いただいたのは、ビル5階に入居されているテナント企業。
「雨天のたびに特定の部屋のタイルカーペットが濡れる」ということでまずは原因を調査しに行きました。
① 原因調査
技術スタッフが現地を見て、サッシ廻りの原因可能性が高いことを突き止めました。その後すぐに具体的な調査方法として、屋上から対象サッシ部へ散水試験を行いました。
結果はずばり、その通り。シーリング材の経年劣化によって外部からの雨水が侵入し、室内床面まで水が伝わっていることが判明したのです。
このように築30年を超えるビルではシーリングの劣化が避けられず、まさに適切なメンテナンス時期を逃したことによる典型的な漏水事例といえます。
② 道路使用許可・近隣対応
外部サッシ部への高所作業が必要なため、所轄警察署に道路使用許可申請を実施。
必要書類(道路使用許可申請書・案内図・近隣工事案内書)を整え、承認後は近隣住民・企業様へ事前通知を配布しました。

工事に伴う騒音や作業車の駐停車など、周辺環境への配慮も徹底しています。
③ シーリング打ち替え施工
高所作業車を用いて、劣化した既存シーリングを完全撤去。
その後、密着性を高めるプライマーを塗布し、高耐久の変成シリコーン系シーリング材を充填しました。
最後にヘラで丁寧に押さえ、均一な厚みと美しい仕上がりを確保。
外観を損なわず、確実な防水性能を再生させました。

④ 完了確認・報告
施工後に再度散水試験を行い、漏水が完全に解消されたことを確認。
お客様へは写真付きの報告書を提出し、施工工程と結果を明確にご説明しました。
結果、社長室内の漏水は完全に解消し、快適な執務環境を取り戻すことができました。
定期点検は10年が目安
シーリングの劣化は、目に見えにくい建物の老化現象のひとつです。
オフィスビルにおける漏水は、業務への支障だけでなく、建物資産価値の低下にもつながります。
「最近外壁にヒビが…」「雨の日だけ床が濡れる…」といった小さなサインを見逃さず、
10年を目安に定期点検・打ち替えを行うことが、安心と長寿命化の第一歩です。
お問い合わせはお気軽に
アロワーズの事業領域は内装がメインですが、これまでも技術力のある協力会社とともに多くのオフィスビルをトータルマネージメントしてきました。今回の事例のコーキング施工のようにお客様が「どの会社に依頼したらわからない」という場合でも適切なチームを組んで対応いたします。どうぞお気軽にお問合せください。
一級建築士 / 1級建築施工管理技士 / 宅地建物取引士 / 認定ファシリティーマネジャー
千葉大学工学部を中退後、2001年に24歳で株式会社アロワーズを創業。「働く環境こそが生産性向上の唯一の手段」という信念のもと、23年間にわたりオフィスの設計・デザイン・施工をワンストップで手掛ける内装工事業を行っている。





