特殊業務における換気設備の最適化 ― 調香教室の事例から学ぶ「空気設計」

オフィスではあまり意識されない換気設備。実は快適性や安全性を左右する非常に重要な要素です。特に、匂いや化学成分、微細な粒子を扱う業務では、一般的なオフィス用の換気では性能が不足し、業務環境や建物全体に悪影響を及ぼすことがあります。


換気性能を軽視すると

換気が不十分な環境では、以下のような問題が発生します。

  • 室内のCO₂濃度上昇による頭痛や集中力の低下

  • 湿度滞留によるカビ・ダニの繁殖、内装材の劣化

  • 気圧バランスの乱れによるドアの開閉不良(負圧/正圧の偏り)

これらは、「空気の流れ」を見落とした設計で起きる典型的なトラブルです。
特にテナント入居後に間仕切りで区画分けを行う際、当初の換気バランスが崩れるケースは少なくありません。


事例:調香師育成学校の換気改善プロジェクト

今回ご相談いただいたのは、香料を日常的に扱う調香師養成学校様。
既存のオフィスビルの一室を利用していましたが、共用部へ香りが漏れることを防ぎたいとのご要望がありました。

既存の空調では風量が不足しており、常時使用する香料によって空気環境が飽和状態になる恐れがありました。
当初は全居室への高性能換気機器設置も検討しましたが、コストとのバランスを考慮し、以下の最適案を設計しました。


設計のポイント:必要な部屋に必要なだけ換気を

  1. 常時香りが発生する教室には、常時運転の高性能給排気機器を新設。

  2. 香り発生のタイミングが限定される教室には、上記設備を分岐接続し、独立スイッチによるON/OFF制御を導入。

これにより、必要時のみ強制換気を行うスマートなシステムを構築。
結果として、十分な換気性能を維持しながら、導入コストを大幅に抑制することができました。


施工上の工夫と連携

現場では天井内スペースが限られており、一部配管を露出せざるを得ない箇所もありました。
そこで、当社が同時に施工した間仕切り計画と連動し、事前の打合せで開口位置を最適化
見た目にも整った納まりとし、設備と内装の一体感を実現しました。

完成後は、研究室のような機能的で清潔感のある空間に仕上がり、
「業務に集中できる空気環境」として高い評価をいただきました。


設備を最適化すれば空気もデザインできます

当社では、内装デザインだけでなく、業務特性に応じた空調・換気設計にも対応しています。
オフィス・ラボ・スタジオ・学校など、用途ごとに異なる空気環境の要件を踏まえ、
コスト・施工性・快適性を両立する換気プランをご提案いたします。

設備計画から内装仕上げまでワンストップでご相談ください。最適な「空気のデザイン」を実現いたします。

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